2013年3月16日(土) 15:00-18:00
東京慈恵会医科大学 1号館 5階講堂
参加無料
協賛 コヴィディエンジャパン株式会社
第1回のテーマは舌癌です。舌骨上筋の温存と喉頭挙上が‘speak’と‘eat’に及ぼす影響を検討します。さらに、咽頭側壁や下顎の合併切除の影響まで議論が進むかもしれません。指定演者に問題を提起していただき、討論を行いたいと思います。
第1回のテーマとして、舌癌の手術後に、どのように切除すれば、またどのように再建すればうまく「食べる」ができるようになるかを検討しました。今回の我々の議題は大きく分けて次の2つでした。 議題1:よりよく食べるために、後方舌骨上筋群(喉頭の動きに関与し、誤嚥などの飲み込みの際の問題点に関係します)の扱いをどう考えるか?
議題2:後方舌骨上筋群が切除された場合に、どう作り直すとよく食べられるようになるのか?
まず議題1に対して、寺尾先生から、今まであまり着目されていなかった「後方舌骨上筋群」が、実は嚥下において重要なポイントになるのではないか、というテーマが会場に投げ掛けられました。
これに対してがんを切除する外科医から、再発・転移の予防という点で後方舌骨上筋群は切除すべきであるという意見がありました。一方で術野の工夫によって後方舌骨上筋群を温存しても十分ながんの切除は可能であるという対案も示されました。
また、後方舌骨上筋群が切除された場合、それをどのように処理するか、そのままにしておくのか、短縮縫合などを行ったほうが良いのではないか、などといった議論がなされました。
この流れから議題2に対して、上田先生より舌全摘・亜全摘における「動く舌」再建のプレゼンテーションが行われ、特に舌骨挙上に関する再検討が行われました。昔から行われている前上方に引き上げる舌骨挙上が本当にベストなのか?本当に盛り上がった舌の再建(隆起型舌)が機能再建にとってベストなのか?
これまでは比較的、失われた「かたち」の回復が良い機能をもたらすと考えられていました。その考えから一歩進んで、解剖学的な整合性にもとづく機能再建の議論がなされ、新たな舌骨挙上に関する考え方が検討されました。