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ご挨拶

 「話すこと」、「食べること」はヒトにとってとても大切な事です。
 話したり食べたりするためには、のどや舌がきちんと機能するだけでなく、唇や鼻なども正常でなくてはいけません。
 これらが機能していても、顔に変形があると社会生活がうまくいきません。
 口腔や咽頭などの腫瘍である頭頸部腫瘍の治療では、手術や放射線、抗がん剤などの治療が日に日に進歩していますが、治療後に「話すこと」、「食べること」に大きな障害を残す可能性があります。医療者はこの後遺障害を十分理解した上で治療を選択しなければなりません。
 腫瘍切除手術では、機能を温存しつつ腫瘍を確実に切除することが求められ、再建手術では後遺障害を少しでも軽減することを目的としています。頭頸部の詳細な解剖と腫瘍の特性を正しく理解し、失われた機能を回復させるためにどのような再建が有効かを考えなくてはなりません。そのためには、切除医、再建医のみならず、補綴医、リハビリテーション、専門看護師、さらには放射線科医や腫瘍内科医まで含めたチーム医療が必要になります。これらの多職種で同じ問題に取り組み、頭頸部腫瘍の患者さんの「話すこと」と「食べること」を考えるために立ち上げたのがSETです。  命を救うことは必須です。
 それに加えて、どうすれば患者さんの術後の人生をより良いものすることができるかを考えてみたいと思います。

SET初代
会長 寺尾保信