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2014年10月25日(土) 15:00-18:00
大阪警察病院 4階 講堂
参加無料
共催 コヴィディエンジャパン株式会社

Featured Presentation
大倉 正也(大阪大学第一口腔外科)

Faculties
伏見千宙(国福大学三田病院 頭頚科)
太田嘉英(東海大学 口腔外科)
寺尾保信(駒込病院 形成外科)
元村尚嗣(大阪市立大学 形成外科)

6th SETならびに6th After SETへの参加希望は下記メールまで。
*テーマに関する事前アンケートにご協力していただきたいので、メールでのお申し込みをお願いいたします。
set-office@jikei.ac.jp

6th SET 報告

 大阪ではじめて行った6th SETは「舌」という大きなテーマでした。  前半は、大阪大学第一口腔外科の大倉正也先生に口演いただきました。「舌」は、バリアーの概念が確立しておらずmetric approachで切除するのが一般的ですが、今回は「舌下腺」と「傍舌隙」という2つのバリアーを示して頂きました。「傍舌隙」とは、舌下腺からオトガイ舌筋の外側を通る脂肪層で、舌神経や舌深動脈が内在しています。これを利用して切除を行うことで、治療成績の向上や舌神経温存可能性が示唆されました。また、MRI画像上で癌の深部が「傍舌隙」まで5.2mm以下になると、リンパ節の潜在転移率が20%を超えるため、予防郭清が必要であると明確な基準を打ち出されていました。(Okura M, et al. Tumor Thickness and Paralingual Distance of Coronal MR Imaging Predicts Cervical Node Metastases in Oral Tongue Carcinoma. AJNR 2008 29:45-50

 後半は、SET参加のみなさまに事前アンケートに答えていただいて、それに対してfacultyの太田先生、大倉先生、山城先生、寺尾先生、去川先生、元村先生にコメントいただき、さらに討論するという形をとりました。まず、太田先生より発生学的観点から「舌」の解剖をお話しいただきました。その後、予防郭清と再建の適応は必ずしもパラレルではないこと、pull-through法に関しても施設によって残存する外舌筋に違いがあることについて討議しました。残存している外舌筋によっても機能に違いがでることから話は再建におよび、口腔底後方を構成する「口蓋舌筋」「茎突舌筋」「舌骨舌筋」の取り扱いへと討議は尽きませんでした。最後に、寺尾先生に再建の概論をお話しいただき、facultyの先生方には「今後の展望」を語っていただき終了いたしました。
 今回の討議でも、多くの考えるべきことがあったと思います。確立した治療と思われていた舌癌の治療が、さらに良くなるために「考える」ことをしていきたいと思います。

 6th After SETは、大阪マラソンと日本シリーズとかさなりホテルが全く取れないなか、終電までの時間や当日参加の先生方もご参加いただき誠にありがとうございます。阪神タイガースもこの日は6-2で勝利し、全員もりあがったまま2次会、3次会と大阪のディープな夜を堪能いたしました。


6th SET!

SETも回を重ね、いよいよ大阪に進出することになりました。SET は口腔癌術後の患者さんのSpeakとEatをThinkingする会です。 これまで、「舌骨上筋温存と術後機能」、「下顎再建における補綴の意義」、「口腔癌術後の話す、食べる、~プレゼン集」、「どうする、筋突起?」、「膜でとる」と題して、切除、再建、補綴、嚥下、リハビリなど各分野の医師、歯科医師、STの方々にお集まりいただき、熱く討論してきました。
 今回は「舌」がテーマです。舌癌を舌内筋だけで考えると切除や再建、機能にも限界があります。舌周囲の舌外筋にスポットを当てて、大阪大口腔外科の大倉先生に理論を展開していただきます。
 舌縁に発生したSCCがどんな方向で進展するのか? 
 その進展に対してバリアがあるのか?
 どこまで行くと所属リンパ節に転移が発生しやすのか?
皆さまのご参加をお待ちいたします。熱くthinkingしましょう。


Pre-Thinking アンケート

回答後、set-office@jikei.ac.jp までお送りください。

 6th SETの後半では、事前アンケートでいただいた内容を議論したいと思います。目的は、現状を把握するだけでなく、企画者を含めた全参加者が新たな気付きを得ることにあります。質問内容によっては、手術の執刀や計画にかかわっていない方には答えにくいかもしれません。よって、すべての項目を埋める必要はありません。白紙でも構いません。それでも、例えば入院中の生活、術後管理、外来での訴え、補綴を作る際の問題点など、舌がん患者さんに関わっているだけで気付く些細な問題点を指摘していただけると、今後のよりよい治療のための足掛かりになると思います。ぜひ一言でも、書いてみてください。よろしくお願いいたします。

①舌がん治療の問題点は? ②舌がん治療をよくするためにできること、すべきこと、やってみたいことは? ③舌がんに対する舌半側より小さい切除において 1) 予防的頸部郭清の適応は? 2) 縫縮ではなく再建の適応は? 3) Pull-through切除の適応は? 4) Pull-through切除の際、外舌筋の切除の基準は? ④舌再建において 1) 部分切除症例で選択する皮弁と理由は? 2) 可動部舌半切もしくは舌半切症例で選択する皮弁と理由は? ⑤舌がん治療においてSETメンバーに聞いてみたいことがありましたらお書き下さい。