2013年12月7日(土) 14:00-18:00
国際医療福祉大学 三田病院 11F
「三田ホール」
参加無料
協賛 コヴィディエンジャパン株式会社
3rd SET 報告
牧口貴哉先生(群馬大学 口腔外科)は「再建方法と嚥下について -舌~口腔底再建を中心に-」と題して、嚥下機能を考慮した口腔底形態についてプレゼンしました。外側口腔底に溝を作ると口腔内保持能が低下し、誤嚥の可能性が高くなることが指摘され、へこませない工夫として腹直筋を使った場合はその前鞘を、前腕皮弁の場合は脱上皮した真皮弁を下顎骨への固定することなどを報告しました。 井上啓太先生(静岡県立がんセンター 形成外科)は、「舌全摘・亜全摘の再建~特にやせた患者~」と題して、構音と舌全摘亜全摘後の再建舌形態を考察しました。評価にはタ行、カ行を構音させることが有用であり、やはり舌尖部と奥舌方向に隆起型で作ることがよいと提案しました。痩せた患者さんの場合には、筋弁に神経負荷腹をして組織量の維持し、構音機能を低下させない工夫を報告しました。 平井英治先生(大分日赤病院 口腔外科)は「再建を始めてみたけれど…」と題して、地方で再建外科を続けることの課題、統計から評価した症例数などを報告しました。再建手術が必要な口腔腫瘍患者の割合は、人口2-3万:1という数字も提示されました。 上田倫弘先生(恵佑会病院 口腔外科)は「上顎切除後の再建術のStrategy」と題して、上顎癌の治療法計画、癌治療方法ごとの欠損と再建方法、そして、最終的な治療目標としての形態・補綴などを報告しました。 大山哲生先生(日本大学歯学部 顎顔面補綴科)は「上顎顎欠損症例の顎義歯による補綴治療」と題して上顎欠損の補綴を具体的な症例の経過を追って報告しました。顎義歯で再建する場合の植皮術の有用性、経時的な形態変化に対する補綴治療の実際などが提示し、対照例として、皮弁で閉鎖したのに補綴が困難だった例、植皮がなかったために、疼痛が残った例など報告しました。 関谷秀樹先生(東邦大学 口腔外科)は「超高齢者の下顎歯肉癌~あなたならどうする~」と題して、実際に適応や術式に悩んだ超高齢者の症例を提示し、その妥当性を最検討しました。 金澤英哲先生(浜松市リハビリテーション病院 耳鼻咽喉科)は、「嚥下機能外科とそのコンセプト(序論)」として、主に中枢神経疾患の患者さんに行っている、音声改善手術や誤嚥防止手術を、実際の何例かの症例を術前術後の画像で提示しました。 塚田賢信先生(都立駒込病院 言語聴覚士)は「舌癌・下顎歯肉癌の切除再建後の口腔リハビリテーション」と題して、実際に経験した症例の嚥下造影画像を提示し、リハビリの実際を報告しました。 渡部恵子先生(国際医療福祉大学三田病院 言語聴覚士)は「嚥下とからだ」と題して、STのみならずOTやPTとの連携で嚥下機能を改善するという、三田病院リハビリテーション科のアプローチを報告し、実際に苦労している症例について報告しました。
3rd SETに参加して頂いた皆様
先日は、3rd SETにご参加いただきありがとうございました。 口腔外科と形成外科の関東地方会と重なり、皆さまにはご迷惑をおかけしましたが、手術、補綴、リハビリと多岐にわたる内容でディスカッションを行うことができました。 SETは一昨年の年末に企画が生まれ、皆さまのご協力とご指導のもと1年を終えることができました。来年からも年3回の開催を目標に、口腔癌患者の話す、食べるを考えていきたいと思います。 今後ともよろしくお願い致します。 SET代表 がん・感染症センター駒込病院 形成外科 寺尾保信